サイクルスタンド(自転車スタンド)の設計秘話
2021-08-26
ゲートファクトリーから新たにサイクルスタンド(自転車スタンド)が発売!
DIY感覚で簡単に設置が可能で、自転車が倒れないようにしたり、盗難を防止するのに最適なサイクルスタンドの設計を担当させて頂きました。
自転車スタンドは見た目にもシンプルな設計の商品ですが設計には様々な苦労がありました。
今回は、その中で最も骨を折った、強度試験について書いていきます。
強度試験とはどんなことをしているの?
まず、強度試験とは、製品がどれだけの風や衝撃に耐えられるかという試験です。
製品を設計する上で、強度試験からは絶対に逃れることはできず、この試験に耐えることを考慮して部品等を作りますが組みあがったもの(自転車スタンド)としてどれだけ強いのか、これは実際に強度試験をやってみないことには測れず、また、設計者として興味のある部分でもあります。
「頼むから耐えてくれ...!」
そう願いながら想定される負荷を次々とかけていきます。
今回自転車スタンドに負荷されると想定した荷重(衝撃)は
①自転車を挿した状態で風速34m/s程度の風荷重
・・・強い台風/通常の速度で自動車を運転するのが困難なレベル
・・・強い台風/通常の速度で自動車を運転するのが困難なレベル
②20kgのよりかかり荷重
・・・子供のよりかかりを想定したもの
・・・子供のよりかかりを想定したもの
③自転車(20kg)を手押しで歩行中(80m/min)に
自転車スタンドに衝突した際の衝撃
自転車スタンドに衝突した際の衝撃
試験項目①の結果
強度試験を行った際の結果は以下の通りでした。
①-1.風荷重除荷後の自転車スタンドの倒れ
➡想定値の範囲内
➡想定値の範囲内
②-1.よりかかり荷重除荷後の自転車スタンドの倒れ
➡想定値より+10mmの倒れ
➡想定値より+10mmの倒れ
③-1.衝撃負荷後の自転車スタンドの倒れ
➡想定値より+20mmの倒れ
➡想定値より+20mmの倒れ
風を想定した試験には強かったものの、よりかかりや衝撃には耐えられない(変形等はないが倒れが目立っていた)という結果になりました。
前述の通り、強度試験に耐えることを考慮して部品を設計したとしても、実際に試験を行ってみると思ったようにはいかないものなのです。
そこで、倒れが想定よりも大きく出てしまった原因を追究し、部品の形状や、固定するネジの本数を見直しました。
改良後の試験結果
前述の改良を加え強度試験を行った際の結果は以下の通りでした。
①-2.風荷重除荷後の自転車スタンドの倒れ
➡想定値の範囲内
➡想定値の範囲内
②-2.よりかかり荷重除荷後の自転車スタンドの倒れ
➡想定値の範囲内
➡想定値の範囲内
③-2.衝撃負荷後の自転車スタンドの倒れ
➡想定値の範囲内
➡想定値の範囲内
全ての試験で、想定していた最大の倒れを下回る結果となりました。
よって、今回の試験を合格とし、サイクルスタンドは当仕様での発売となりました。